2015年11月02日

年報『寄せ場』執筆要領を改訂しました

 年報『寄せ場』次号の発行時期は2016年7月の予定です。投稿を希望される方は、希望する原稿の種類(論文、書評等)と仮タイトルを編集委員会までお知らせください。なお、原稿の締切りは2016年5月6日(金)です。これは「これ以上は伸ばせない」という事実上のデッドラインですのでご注意ください。

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2015年08月03日

日本寄せ場学会年報『寄せ場』第27号を発行しました

日本寄せ場学会年報『寄せ場』第27号(2015年7月25日発行)

前号から1年半ほど間が空きましたが、第27号が発行されました。

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目次
巻頭言「横糸と縦糸からこぼれ落ちるもの」濱村 篤
フォト[撮られたら撮り返せ・釜ヶ崎の監視カメラ」水野阿修羅・綱島洋之

[特集1]社会的排除 と抵抗のかたち
「共同の空間とコミュニケーション 『ひきこもり』『ニート』の周辺から」渡邊 太
「ローカルな労働運動の『たたかいかた』 個人加盟のユニオン運動を事例に」文 貞實
「東京オリンピックと都営霞が丘アパート」稲葉奈々子

[特集2]戦後の下層労働者
「戦後の下層労働民の系譜 資本主義の獰猛化が下層民を増幅してきた」ディスカッション・鎌田慧さんを囲んで
「首都圏の寄せ場 歴史的変遷の概要」松沢哲成
「『決起四〇年記念』船本洲治 釜共闘・現闘委時代の実践と思想」風間竜次

[時論]
「〈自由・平等・友愛〉の理念を葬り去ったフランスと反ジプシー主義がよみがえる欧米諸国」金子マーティン

[現場から]
「渋谷の路上から空間を問う」室田大樹
「山谷のたたかいは続いている」向井宏一郎
「映画『月夜釜合戦』を撮り終えて 監督と演者に釜ヶ崎を撮るとは、どういうことかを聞く」

[ヨセバ・クリティーク]
「〈2011・3・14〉は決定的な亀裂と深淵を生んだ! 小倉志郎『元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ』、鈴木智彦『ヤクザと原発』、山田真『水俣から福島へ─公害の経験を共有する』を読む」松沢哲成
「自衛隊が国外で参戦するまで日本の大衆は右派政権に従順でありつづけるのだろうか 八木晃介『右傾化する民意と情報操作』を読む」金子マーティン
「当事者が自ら社会問題を問う試み 『フリーターズフリー』一~三号を読む」妻木進吾
「去りゆく相手に ジャ、デヴレッサ(神のご加護を) ロナルド・リー著/金子マーティン訳
 『ロマ 生きている炎─少数民族の暮らしと言語』を読む」濱村 篤

[自著自注]
「寄せ場学にとって ジェントリフィケーション概念はなにを意味するのか ニール・スミス著『ジェントリフィケーションと報復都市』訳者による解説」原口 剛
長井公彦さんを悼む
学会日録

[復刻資料]
「寄せ場の歴史から未来を見通す」(寄せ場労働運動のリーダー、山岡強一、風間竜次、宗村義隆による連続講演・1984年12月7日「三多摩・山谷(ヤマ)の会」発行)

ISBN:978-4-8462-0416-7
本体価格2800円+税
書店で在庫切れの際は事務局(yosebagakkai@yahoo.co.jp)までお問い合わせください(学会に在庫がある場合もあります)。
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2015年05月02日

2015年日本寄せ場学会総会

2015年 日本寄せ場学会総会
寄せ場はなくならない
―ジェントリフィケーションへの抵抗―

2015年5月30日(土) 13:30-18:20
日本女子大学西生田キャンパス
九十年館B棟22番教室

(会員以外の方でも参加できます。参加費無料・事前申し込み不要ですので、会場に直接お越しください)

〈プログラム〉
13:30 - 14:00 総会(会議)
14:00 - 18:20 総会(シンポジウム)
■司会より趣旨説明
■水野阿修羅(釜ケ崎労働者)
 「なぜ、釜ヶ崎はなくならなかったのか」
■松沢哲成(現代史研究)
 「首都圏の寄せ場――歴史的変遷の概要」
■室田大樹(のじれん〈渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合〉)
 「渋谷の路上から空間を問う」
■綱島洋之(大阪市立大学)
 「「西成特区構想」に参加型開発の理念は生かされているか」
〈休憩〉
■コメント 渋谷望(日本女子大学)・原口剛(神戸大学)
■討議

* * *

総会基調 西澤晃彦(神戸大学)

寄せ場はなくならない――ジェントリフィケーションへの抵抗

  非正規労働者の増大と貧困化の深まりは、かつての下層労働者と連続的な質をもつ流動的な人口をいっそう蓄積しつつある。いまや「寄せ場的な」労働力の管理 と支配の様式は社会の全域におよび、それを総寄せ場化と形容することも可能なほどだ。しかしながら、この総寄せ場化は、かつての寄せ場のような下層労働者 の接触空間を欠いたまま、否、それを奪われつつ、進行している。今日の下層労働者は、分散され孤立させられつつ「統計的に」存在させられているのである。 空間と関係の奪い返しというテーマは、排除された人々の運動と研究において、いっそう大きくせり上がってきている。
  今回の総会シンポジウムにおいては、この秋から本格始動する西成特区構想をにらみつつ、これまでもせまく隔離され、隠蔽され、さらにはそれを消し去ろうと する力にさらされてきた寄せ場空間の歴史と現状を、「ジェントリフィケーションへの抵抗」の多様なあり方に着目しつつ、描きなおしてみたいと思う。
「都市再生」の名のもとになされる空間改造――ジェントリフィケーション――を通じて、消費社会において「負」とされる価値や意味の一掃が企てられ、住民は散らばってしまうかそうでなくても共同性を破壊される。保存されていた文化や記憶は、忘却されるか隠される。総寄せ場化の過程も、排除された人々に「居場 所」を与えないジェントリフィケーションを伴いつつ進められている。釜ヶ崎や山谷では、これまでも寄せ場を縮小・消去しようとする動きはあった。「ビジネスホテル化」を経て「福祉の街」や「バックパッカーの町」へと空間の意味を改変する流れがそうである。また、すでに寄せ場であることをやめて、かろうじて 過去の痕跡を残すに留まる場所もある。野宿者の空間も、暴力的な強制排除とジェントリフィケーションによって削ぎ落とされ、その存在を不可視にする力に晒 されてきた。そして、その一方で、飯場を用いた下層労働者の動員体制はむしろ強化されているというべきであるし、「携帯電話つき」の孤立した労働者を前提としたリクルートのシステムも構築されているのである。
それら全体の構図を踏まえつつ、「寄せ場のジェントリフィケーション」の過程を分析し、ジェントリフィケーションの背後にある構造変動とその論理を炙り出す 糸口を得たい。それを通じて、「西成特区構想」「東京オリンピック」を貫く、寄せ場労働者・野宿者の存在を否認するイデオロギーを明るみに出したい。それ でも、同時に、寄せ場は、容易にジェントリフィケーションを受け付けない場所であり続けている。そこに作動している多様な抵抗、拒絶の様相をも捉え、「生き残る寄せ場」や「新しい寄せ場」の可能性についても議論したいと思う。
  水野阿修羅報告では、釜ヶ崎を消そうとするこれまでの企てと今日的な動向について報告されるとともに、釜ヶ崎が釜ヶ崎であり続ける、寄せ場であり続ける可能性について議論される。松沢哲成報告においては、東京における戦後の寄せ場の変容を、労働力を集中させ動員する寄せ場機能の集中・分散、移転の過程として捉えつつ、むしろそうした機能が拡張されつつあることについて述べられる。室田大樹による報告では、渋谷・宮下公園のナイキ化計画をめぐる攻防について 取り上げられ、ジェントリフィケーションのもつ「敵意」が論じられる。綱島洋之報告では、西成特区構想の現状と今日的な若年貧困層の増大・蓄積を踏まえつつ、若年貧困層にとっての寄せ場、そして釜ヶ崎について展望がなされる。

★会場へのアクセス
日本女子大学 西生田キャンパス(目白キャンパスではありませんのでご注意ください)
九十年館B棟22番教室

(神奈川県川崎市多摩区西生田1-1-1)
(スクールバス内あるいは入口にて入構手続きを行ってください)

■交通アクセス
小田急線「向ヶ丘遊園」駅北口よりスクールバス「日本女子大学行」で15分(学外者は乗車後に車内で記名のうえ入構証を受け取る)
小田急線「読売ランド前」駅より徒歩15分

(参考1)名古屋・大阪方面から向ヶ丘遊園駅まで(乗り換え時間含まず〕
新横浜駅 ―〔JR横浜線で約20分〕― 町田駅 ―〔小田急線で約15分〕― 向ヶ丘遊園駅
東京駅 ―〔JR中央線で約20分〕― 新宿駅 ―〔小田急線急行で約20分〕― 向ヶ丘遊園駅

(参考2)向ヶ丘遊園駅北口発スクールバスの時刻表(土曜)
11:15,11:40,12:00,12:15,12:45,13:00,13:15,13:40,14:00,14:30
ラベル:学会総会
posted by yosebagakkai at 16:01| 日記 | 更新情報をチェックする