2016年07月03日

2016年日本寄せ場学会総会・シンポジウム

2016年 日本寄せ場学会総会・シンポジウム
寄せ場と壁/国境線
「寄せ場」から「寄り場」へ


2016年7月23日(土) 12:00-18:00
山谷労働者福祉会館2階ホール
(13時からのシンポジウムは会員以外の方でも参加できます。参加費無料・事前申し込み不要ですので、会場に直接お越しください)

〈プログラム〉
12:00 - 13:00 総会(会議)
13:00 - 18:00 シンポジウム
■基調 濱村 篤(日本寄せ場学会運営委員長)
■藤田進(中東問題研究家(パレスチナ現代史))
「イスラエル占領下隔離壁に囲まれたパレスチナ人ゲットーにおける集団抵抗闘争の現在
 ―最近のエルサレム訪問にもとづく一報告―」
■平野良子(在日アジア労働者と共に闘う会)
「建設労働と外国人技能実習生」
■渡辺拓也(大阪市立大学都市文化研究センター研究員)
「大阪都市圏の飯場の現在
 インターネット求人情報をもとに」

〈総会基調〉
寄せ場と壁/国境線  「寄せ場」から「寄り場」へ

 最近のヨーロッパにおける難民の報道に接するにつけ、流動する下層労働者を含め渡り歩く人間にとって国境線や国籍とはいったい何なのか、また、安住の地とは何なのか改めて思わざるを得ません。ヨーロッパ各国が押し寄せる難民によりシェンゲン協定の維持(つまり、国のあり方の基本)が困難となる事態や、バルカンルートに該当する国々がフェンスを張り巡らすなどして国境線を事実上封鎖した事態は印象的でした。

 戦後の農漁村の解体やエネルギー転換による炭鉱の閉山が寄せ場形成の大きな要因であるとすると、寄せ場の問題を純粋に国内問題であると考えることもできますが、実際には、寄せ場の運動が華青闘の闘いに触発を受けたり、釜ヶ崎から「反入管通信」なる通信が出されたり、あるいは、寄せ場の運動の中で「国際主義」が提起されるなど、囲い込まれた寄せ場空間を乗り越えようとする試みがこれまでに繰り返しおこなわれてきました。これは重要な事実だと思われますし、今日の文脈の中に再度置き換えて検討する必要があると考えられます。

 現在の寄せ場の運動に関連させて言うと、近年、竪川、明治公園と相次いで大きな鋼板でできた巨大な壁が建設されており、野宿者を排除する手段として目に見える物理的な壁を臆面もなく建設するのが現在の趨勢であることが理解できます。「寄せ場」という言葉には、元来、人を寄せ集めて、囲いの中に囲い込むというネガティブで受動的なニュアンスも込められていますが、寄せ場を囲い込んでいるのは目に見える物理的な壁に限りません。入管制度のような目に見えない壁によってもそのぐるりを取り囲まれていると考えています。それどころか、寄せ場労働者当事者の間にも職人層と土方と仕事に就かない層/就けない層との間にも目に見えない壁があります。現在、各寄せ場などで実践されている炊き出し/共同炊事の試みは、このような目に見えない壁を克服する試みであると言えるでしょう。

 2016年度日本寄せ場学会総会では、寄せ場と壁あるいは国境線をテーマとして取り上げ、このテーマについての現状認識をおこないますが、現状認識にとどまることなく、受動的なニュアンスもある「寄せ場」から、そこに人が主体的に集う、自律的な空間「寄り場」への転換の契機についても議論することができればと願っております。
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★会場へのアクセス
山谷労働者福祉会館(東京都台東区日本堤 1-25-11)
JR常磐線・地下鉄日比谷線・つくばエクスプレス 「南千住」駅 下車徒歩10分
・日比谷線南千住駅南口改札前の跨線橋を渡り吉野通りを直進
・泪橋(なみだばし)交差点を越える
・浅草警察署山谷派出所前を右折・いろは通り商店街入り口右手の建物が山谷労働者福祉会館
※エアコンはありませんので、各自で暑さ対策をお願いします
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2015年11月02日

2015年日本寄せ場学会秋季シンポジウム

2015年日本寄せ場学会秋季シンポジウム
炊き出し/共同炊事の思想――生存闘争とその関係性

日時:2015年11月28日(土) 13:00-17:30
開催場所:釜ヶ崎ディアコニアセンター 喜望の家
(会員以外の方でも参加できます。事前申し込み不要ですので、会場に直接お越しください

〈プログラム〉
13:00 開会のあいさつ
13:10 趣旨の説明
13:30 持木良太(大阪府立大学院生)
 「現在における力能の発現としての炊き出し――技術・共有・自律性」
14:00 きんちゃん(釜ヶ崎パトロールの会)  
 「文化闘争としての炊き出し/共同炊事――その担い手は誰か」
14:45 〈休憩〉 
15:00 向井宏一郎(山谷労働者福祉会館活動委)
 「共同炊事、“現場”と“支援”とをつなぐもの」
15:45 コメント 濱村篤(日本寄せ場学会運営委員長)・水野阿修羅(釜ヶ崎労働者)
16:15 全体討論

〈本シンポジウムの趣旨〉
 流動的下層労働者の空間であり、抵抗の拠点であった伝統的な寄せ場は、いま、存続の危機にさらされている。すでに解体されてしまった寄せ場もあれば、解体の圧力にさらされている寄せ場もある。寄せ場学会は、「寄せ場の現実に切り込み、これを再構成し、そして寄せ場に投げ返さなければならない」という言葉を掲げてきた。寄せ場の解体という危機に、どのように切り込むことができるか――その課題が、突き付けられている。たとえ解体されてしまった寄せ場であっても、その伝統を引き継ぎながら、いまなおつづけられている実践がある。私たちは、そのような実践にこそ、連帯したい。このような問題意識のもと、本シンポジウムでは、「炊き出し」や「共同炊事」と呼ばれる実践に焦点を当てることにした。
 各地の炊き出しは、長い歴史をもち、そこでさまざまな思想が問われてきた。たとえば、これらの実践を「炊き出し」と呼ぶのか、「共同炊事」と呼ぶのかという点をとっても多様であり、その名づけには奥深い思想と歴史性が宿っているはずである。けれども、寄せ場学会の25年以上のあゆみのなかでも、「炊き出し/共同炊事」という実践に思想的意義や政治的意義を見出そうとする試みは、さほど積極的になされてこなかった。いま、その意義を考えることは、寄せ場の歴史と現在を捉えなおす視点となりうるかもしれない。そして、「寄せ場をみれば世界がみえる」という言葉を取り返し、国家や資本主義に対峙するような知のありようを探るための、出発点となるかもしれない。そうした願いを込めて、シンポジウムを開催したいと思う。
 「炊き出し/共同炊事」の多様な思想と歴史をたどる作業は、おそらく長い時間が必要になるだろうし、共同作業が欠かせないだろう。そのような展望をもちながら、本シンポジウムでは、「炊き出し/共同炊事」について考えることの重要性を、各地の活動家・支援者や研究者の視点から提起し、議論を交わすことから始めたい。具体的には、「炊き出し/共同炊事に対する排除」と「炊き出し/共同炊事からの排除」という、ふたつの論点を提示したいと思う。前者の論点においては、公園や河川敷での「炊き出し/共同炊事」がどのような排除の圧力を受けているのか、そして、その存続のためにいかなる抵抗の知恵が積み重ねられてきたのか、などの点を議論する。また、後者の論点のなかでは、炊き出し/共同炊事を相互扶助の実践として維持するために、つまり誰かを排除する事態を避けるために、どのような関係性の知恵が生み出されてきたのか、などの点をめぐって議論する。
 今回のシンポジウムを、「炊き出し/共同炊事」の思想と歴史を探る共同作業のための、第一歩としたい。

会場
「釜ヶ崎ディアコニアセンター 喜望の家」
大阪市西成区萩之茶屋2-8-18
*JR環状線・南海電鉄「新今宮」駅、地下鉄御堂筋線「動物園前」駅、南海電鉄「萩之茶屋」駅、阪堺線「新今宮前」・「今池」駅から徒歩すぐ。
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年報『寄せ場』執筆要領を改訂しました

 年報『寄せ場』次号の発行時期は2016年7月の予定です。投稿を希望される方は、希望する原稿の種類(論文、書評等)と仮タイトルを編集委員会までお知らせください。なお、原稿の締切りは2016年5月6日(金)です。これは「これ以上は伸ばせない」という事実上のデッドラインですのでご注意ください。

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posted by yosebagakkai at 17:31| 日記 | 更新情報をチェックする